2010.03.27
抱っこ紐の回収に関して/2010年3月10日
アメリカ消費者製品安全協会は、だっこひも「スリングライダー」(商品名)について、使用上の警告を発表しました。(下記、CPSC および HCからのニュース参照)
首がすわっていない乳児については、頸部が過度に前屈しないように注意して、常に児の顔色を使用者が確認できるよう留意すべきとし、商品は発売元にてリコールを始めた。
この商品はベビースリングとして販売しているようですが、日本国内のベビースリング業者の団体である日本ベビースリング協会ではこの商品のように両手を離して使えないまたは密着できずに不安定になるものはベビースリングとしては認めていません。またこの商品による事故は定頸前の乳児が抱っこ紐の中で丸くなりすぎてしまうことによる呼吸困難が原因とされていますが、日本でのベビースリングの使い方は新生児であっても縦方向に抱っこして密着するように説明されていることから、同様の事故は起こらないと思われます。
CPSC および HCからのニュース/だっことおんぶの研究所翻訳
米国U.S. 消費者製品安全委員会 www.cpsc.gov
カナダ保健省 www.hc-sc.gc.ca
2010年3月24日 即時発表 発表番号10-177
以下の発表は米国、カナダのCPSCが発表したものであり、特定の商品についてリコールとその理由を明らかにしています。
スリング全般の危険性を指摘しているものではありません。
日本国内では日本ベビースリング協会が中心となって2003年より安全なスリングの使い方について議論を重ね、加盟業者は医療情報を共有しています。
CPSCが回収対象としただっこひもはbag-slingと呼ばれる、袋型のスリングです。
Infantino社、 SlingRider Baby Slingのリコール発表、乳幼児3人死亡報告
ワシントンDC-米国消費者製品安全委員会(CPSC)とカナダ保健省は、カリフォルニア州サンディエゴに本社を置くInfantino社と共同で、同社の乳幼児用スリング、SlingRiderとWendyBellissimoの無償交換を発表した。
米国内で100万個、カナダで1,500個の商品が対象となる。CPSCは消費者に対し、これらの商品を生後4カ月以下の子どもに使う場合、窒息の恐れがあるため、使用をすぐにやめ、無償交換についてInfantinoに連絡を取るように呼びかけている。
CPSCでは2009年これらのスリングでの死亡事故を3件報告を受けれいる。1件はペンシルバニア州フィラデルフィアで生後7週目の乳児、1件はオレゴン州サ?ラムで生後6日目の新生児、1件はオハイオ州コネチカットで生後3か月の乳児である。
Infantino社のInfantino SlingRiderは柔らかな生地のパッド入りショルダーストラップのついたベビーキャリアで(訳注:袋型のスリングとしている。英語表記ではbag-sling)、保護者や保育者が20ポンド(約9キロ)以下の乳幼児を抱えるために使用する。Infantino という文字がストラップのプラスチック製のスライダーに印刷されている。Infantino・SlingRider という文字と商品番号は当該ベビースリングキャリアの取扱説明・注意ラベルに印刷されている。
Wendy BellissimoブランドのスリングはBabies”R”Usで独占販売されており、スリングストラップの内側に「Wendy Bellissimo Media,Inc.」と商品番号3937500H7あるいは3937501H7が書かれたラベルが縫いこまれている。
Infantino社は米国およびカナダ国内のWalmart, BurlingtonCoat Factory, Target, Babies”R”Us, BJ’s Wholesale, 様々な乳幼児専門店やその他の小売店、およびAmazon.comのネット上で2003年1月から2010年3月までスリングを販売してきた。価格帯は25ドルから30ドル。商品は中国およびタイで生産されている。
消費者はリコール対象のスリングの使用をただちに中止し、Infantino社に連絡を取り、無償でWrap & Tie乳幼児キャリア、2 in 1Shopping Cart Cover、あるいは3 in 1 Grow & Play Activity Gymと交換をしてもらってください。
Jittery PalsRattleとの交換も可能です。
Infantino社の無料電話番号(866) 860-1361。平日の午前8時から午後4時の間に連絡してください。
あるいは、Infantino社のウエブサイトwww.infantino.comからも連絡可能です。
対象の商品を自分で修理しようとしないでください。
CPSC は今後もリコール対象の商品と直接関連して発生した事故や本商品のその他の問題が発生した場合の報告を求めています。事故等が発生した場合、CPSCのウエブサイトhttps://www.cpsc.gov/cgibin/incident.aspxで確認してください。
注:カナダ保健省の報道発表は以下のサイトでチェックしてください。http://cpsr-rspc.hc-sc.gc.ca/PR-RP/recall-retrait-eng.jsp?re_id=1001
CPSCからの追記:
2010年3月12日、CPSCは乳幼児用スリング(訳注:袋型スリング)に関する警告を発表した。
スリングは乳幼児に2つのタイプの窒息を引き起こす可能性がある。生後2、3カ月の乳児は首の筋肉が弱いため頭をコントロールできない。スリングの生地が乳児の鼻や口に押しつけられ呼吸困難となり1,2分で窒息してしまいます。さらに、スリングの中で乳児が丸まった体勢になってあごが胸部にむかって曲がっている場合、気道がふさがれ、十分に酸素が供給されなくなります。
乳児は助けを求めて泣くこともできず、徐々に窒息してしまいます。
CPSCは乳幼児用スリングの義務的基準の設定が必要だと判断した。
基準を作成する一方で、現在、CPSCの職員はASTMInternationalやInfantino社等の関連企業と共に有効な自主基準を早急に作成中である。
現在、乳幼児用スリングの安全基準はない。(訳注:アメリカおよびカナダの状況)