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2020.08.19 抱っこひもの新型コロナウイルス感染症対策

抱っこひもの新型コロナウイルス感染症対策

抱っこひも・おんぶひもの感染症対策について

COVID-19については、ウイルスが確認されてから8カ月ほど経過しますがまだわからないことが多くあります。
しかしそのなかでは、モノに付着したウイルスの不活性化までの時間*はある程度判明してきました。
抱っこひもやおんぶひもは家庭のなかではもちろん、外出時も使いますが、外出後の抱っこひも・おんぶひもの消毒については、世界で統一した見解はありません。
この記事では、抱っこひもやおんぶひもを構成している各素材ごとの消毒等の対応をお示しいたします。

*ウイルスが不活性化するまでの時間は解明されつつありますが、不活性化するまでの間ずっと感染力を維持しているということではありません。

◎より感染のリスクを減らす使い方

抱っこひもは赤ちゃんを運搬するだけでなく、あやしたり寝かしつけるなど、家事と子育てを平行して行うためにも役立ちます。もっともよい方法は、抱っこひも・おんぶひもを外出用と自宅用に分けることです。外出から帰ったら、玄関先で抱っこひも・おんぶひもから赤ちゃんを降ろし、外出用抱っこひも・おんぶひもは玄関より中に入れないようにすると安心です。
外出先で使用する場合には、赤ちゃんが進行方向を向く「前向き抱っこ」は避けた方が無難でしょう。

抱っこひも・おんぶひもを外す前に、除菌シート(**)を使って各部品をぬぐってから触るとより安心です。または、その際に使い捨てのビニール袋などを使えばより感染を予防できますが、どこまでそれをするのかは各ご家庭の考え方にもよるでしょう。
**以下の素材ごとの消毒でも触れますが、除菌シートはアルコールが含まれている製品が多く、アルコールを含んだものはプラスティック部品には使用できませんので、ご注意ください。また、ほとんどの抱っこひも・おんぶひもは家庭でのお洗濯が可能です。取扱説明書や製品についている洗濯タグをご確認ください。

 

●布(綿やポリエステルなどの織物)

布や編みものなど、織ったり編んだりしているでこぼこした繊維の表面では、不活性化するまでに最大で二日間かかると報告されています(H chin et al., 2020)。最もよい方法は、いつもの方法で抱っこひもをお洗濯することです。新型コロナウイルスは界面活性剤などの洗剤で不活性化されることが明らかになっています(Hadi et al., 2020)。熱にも弱いという報告もありますが、抱っこひもは乾燥機にかけられないので、通常通りに洗濯して干しましょう。

●プラスティック部品

プラスティック部品にはアルコールはできません。アルコールはプラスティック強度の劣化を招くので、アルコールを含んだ除菌シートなどで拭かないようにしましょう。どうしても拭き取りたいときには、洗剤を薄めた溶液を布に浸してそれで拭き取って下さい。赤ちゃんが舐める可能性のある部品は、その後に水拭きしましょう。

 

さいごに

新型コロナウイルス感染症の収束がみえないなか、ご不安を感じているご家庭は多いと思います。誰も感染していないご家庭の中では、赤ちゃんやお子さんにたくさん触れたり抱っこしてあげて、お子さんの不安を取り除いてあげてください。家事をするときもふれあいの時間にすることで、赤ちゃんは満たされます。

参考:
Stability of SARS-CoV-2 in different environmental conditions. H Chin et al., 2020 / Published Online
DOI https://doi.org/10.1016/s2666-5247(20)30003-3

(20200819投稿)

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