NPO法人 だっことおんぶの研究所

抱っことおんぶの豆知識 抱っことおんぶの豆知識

ベビースリング

ベビースリング

抱っこひもとスリングは種類が違うと理解されがちですが、いずれも「抱っこするもの(おんぶできるものも一部あり)」です。
スリングのなかでもある程度形づくられたものもあり、全くの一枚の布にリングだけついているものや、縫い合わせているものがあります。
リュックタイプの抱っこひもと大きく違うのはストラップなどがあまりついておらず、基本的に1枚の布にごく簡単な調整具がついているという点です。

スリングの良い点は着脱が用意で、抱いたり降ろしたりが簡単にできるということと、お互いに心地良い姿勢をつくりやすいということです。悪い点はそのような状態を作れるようになるまでには、少々練習が必要だということです。

スリングの種類

リングスリング

布の一方だけに二つのリングが取り付けられており、そのリングに布を通すことによって輪状に成形して抱っこします。肩パッドがついているものといないものがあります。
布幅は狭いものでは60cm強の製品がありますが、70~85cmくらいあると始めて使用する方にも使いやすいでしょう。反対に幅が100cmもあると布のさばきが難しくなります。リングの大きさは布の厚みと幅できまるので、布のボリュームにあったものが取り付けられているものを選びます。
使い方のポイントは、リングに通した布(リングの上にある布)がちゃんと引きやすくギャザー状態になっていること、ポーチ(赤ちゃんが入る部分)の大きさが、抱き入れる前に適切に調整されているかの2点です。
リングに挟まれている布の部分が折り重なっていたりすると、うまくポーチを引き締めることができません。赤ちゃんの入るポーチを大きく作っておくと、赤ちゃんを抱き入れてからの調整がほとんどできないため、ぶら下がってしまい不安定になります。
新生児からだいたい3歳くらいまで使用できるように強度設計している製品が多いです。

他のスリングと比較してよい点は、調整ができるので密着感が調整しやすい点でしょう。慣れると15秒くらいで抱っこが完成します。マイナス点はパウチに比べれば嵩張るということがあげられます。

リングスリングは布の扱いと赤ちゃんの抱き方おぶい方に非常に詳しければ、首がすわった子をおんぶすることも可能です。おんぶは誰にも推奨できる方法ではないので、専門家であるコンシェルジュの指導を仰いだ方が良いでしょう。

バックルスリング

布の両端にバックルの凹と凸が取り付けられており、ポーチ(赤ちゃんが入る部分)もある程度深さが出るように縫製されています。肩パッドがあり、ポーチに繋がるひもとストラップも取り付けられています。
あらかじめ使用者の体格に合わせておくので、装着したらすぐに赤ちゃんを抱き入れることができます。基本的には赤ちゃんを抱き入れてからは調整はしません。ブランドネームが見えている部分が正面なので、バックルは背中にきます。多くの製品には肩パッドがついています。

他のスリングと比較してよい点は、同一人物が連続して使用する場合は、いちど調整したらとても簡単に装着できることです。難しい点はポーチの調整はあまりできないので、日本小児整形外科学会で推奨されている「コアラ抱っこ」をすると密着しづらいことです。

パウチ(リングなしスリング)

布を輪っか状に縫ったものをパウチと呼びます。多くはあらかじめ二つ折りに縫われているので、使用者はパウチをたすき掛けに身体にかけて、二つ折りになった部分を広げて赤ちゃんを抱き入れます。

他のスリングと比較してよい点は、サイズがあえば抱っこするまでが速いことでしょう。かぶって赤ちゃんを入れるだけです。特に腰がすわったあとなどは、サッと抱くことができて、赤ちゃんを待たせるというストレスが少ないと思います。非常にコンパクトなので、持ち運びが便利です。難しい点はサイズが合わないと親子ともに不安定になります。体格の違うカップルでは共有できません。ポーチの大きさは調整できないので、赤ちゃんが小さいうちは埋もれがちになり、良い姿勢を維持し続けることが難しい場面があります。

一枚で縛って使うスリング(ベビーラップのスリング様使用など)

ただの一枚の布を結ぶことによってスリング状に使用することができます。ほとんどはBaby Wrapという細長い布を用いてリングを使ったり、布の巻き方を工夫してリングスリングと同じように使用します。多くの民族はこのような単純な布で肩掛け抱っこをしていました。使い方には様々な方法があるので、youtubeなどで検索して諸外国の方法を見ることもできますが、抱っこの仕方や布の扱いに慣れてから挑戦した方が良さそうです。どうしたら安全になるのかという理屈がある程度わかると使いこなせるでしょう。

他のスリングと比較してよい点は、長方形の布があれば、抱っこできるというところです。それには布の使い方全般に慣れて、安全な結び方を習得するなど、babywearingの理解があるというのが絶対の条件です。

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