NPO法人 だっことおんぶの研究所

抱っことおんぶの豆知識 抱っことおんぶの豆知識

抱っこ紐の賢い選び方

抱っこ紐の賢い選び方

抱っこひもを購入するときにはなにを基準に選びますか。流行しているものからチェックしますか? それともお値段?
抱っこひもは大きく分けて4つあります。

  1. リュックのように両方で支えるもの
  2. 両方で支えるけど、柔らかい布でできているもの(主にストレッチ素材)
  3. リングスリングなどのだけでできているもの(伸びない布でできている)
  4. おんぶ専用のもの

あなたの生活に役立つものはどれでしょうか。
また利便性だけでなく、どれを選んだら子育てが快適になるか、赤ちゃんが安心して過ごせるかを考えていきましょう。

選び方の基準

抱っこひもは流行すたりがあります。誰もが使っているからといって、流行のモノが商品としてあなたにとっても万全ということはありません。
選ぶ基準は主に使用する人の体型と目的です。
日本女性は平均値であっても欧米の人々と比較すると小さく体重も少ない体型をしています。そのためカタチができている抱っこひもを小柄な体型のかたが心地良く安全に使うにはコツが必要です。
一方で布で巻いていくタイプの抱っこひもは、適正な使い方をしてはじめて安全に快適になります。

それぞれの抱っこひもの特徴

腰ベルト付き抱っこひも

メリット:肩ひもや腰ベルト、赤ちゃんを覆う部分(パネルといいます)、調整するところが視覚的にわかりやすいのが特徴でメリットです。輸入品の場合は日本で輸入代理店が販売しているもの、あるいはSGマークを取得しているものは抱っこひもと赤ちゃんを結ぶ安全ベルトが付属しています。そのため落下の危険はかなり低くなります。腰で支える設計になっているため、肩と腰で体重を分散させられます。使用者の背中は大きく開いているので、夏場の暑い時期にも不快感は少ないです。耐荷重が比較的大きく設定されている製品が多いです(ただし、20kgの子どもをどのくらいの時間抱っこやおんぶしていられるかは、使用者の体力によるでしょう)。おんぶもできるものが多いです。

デメリット:ある程度は調整できますが、同じ抱っこひもで3.5キロくらいの赤ちゃんから15キロ、20キロの子どもまで使用できるということは、相当に調整幅が広いことになります。小さな赤ちゃんは埋もれてしまったり、脚が開きすぎていることがあります。快適な姿勢を保つには毎回しっかりとした調整が不可欠ですが、それをあまり気にしなくても使用できてしまうということも赤ちゃんにとってはデメリットになります。無理な姿勢で使用し続けていたり、赤ちゃんが不自然な姿勢をとっていることがないよう気を付けたいものです。高身長の方が使用すると、腰ベル後が脇の下になってしまうことがあります(キッシングポジションで使用すると、おのずとボトムの位置が決まってしまうため)。おんぶしたときには赤ちゃんの視線は使用者の背中にあるため、前を覗いたり一緒に作業するという状態は作れません。比較的高額なものが多いです。

リングスリング

メリット:抱いたり降ろしたりすることがやりやすく、赤ちゃんの快適な姿勢も作りやすいです。調整ができるため、体格差のあるカップルで使用してもそれほど面倒なことはありません。様々な抱き方ができるため、新生児から15kgくらいまで長期間使用できます。多くの製品はお洗濯が簡単にできます。

デメリット:おんぶはできません。使い方に慣れるまで練習が必要です。始めてスリングなどの布製抱っこひもを使う方は、赤ちゃんとの密着具合がどの程度でお互い快適なのかがわからないことが多く、その点で不安を感じる方もいます。赤ちゃんの脚をしっかりM字開脚させないと滑ってしまう可能性があるなど、適切な使用が必須です。

一枚布の抱っこひも(ベビーラップ、へこ帯など)

メリット:種類は様々です。新生児からすぐに使用することが可能で、様々な抱き方やおぶい方を楽しめるでしょう。ちゃんとした使用をすると親子とも快適に過ごせます。コンパクトに持ち運びができるものが多く(へこ帯)、ベビーラップは床に敷いたり上掛けにするなどの様々な用途でも使用可能です。ほぼ全ての製品は洗濯機を使用してお洗濯できます(ベビーラップの一部には絹や羊毛を使った製品もあるので、洗剤には注意が必要)。

デメリット:使い方を覚えるまで練習が必要です。へこ帯は布幅が狭いので可能なおんぶや抱っこの種類に限りがありますが比較的簡単です。また軽く小さく畳めるので持ち運びに便利です。ベビーラップは布幅がある分ひじょうに自由度が高いのですが、布をばさばさと捌いたり密着させて巻き付けるためには、かなり練習が必要になります。一部の製品では伸縮する素材を使っているものがありますが、それらはおんぶでは使用できません。

ハイブリッドタイプ(ストレッチの効いた布が輪っかになっているタイプ)

メリット:使い方が比較的わかりやすいため、簡単に抱っこできます。練習もあまり必要はありません。特に新生児期には使いやすいでしょう。

デメリット:おんぶはできません。耐荷重が15kgなどと記載されていても、その体重まで快適に使用できるわけではありません。ストレッチがきいているため、通常は5-6kgまで、7kg以上になると重く感じられます。歩く度に赤ちゃんの脚が揺れたり、使用者の腿をたたくことになります。重くなると使用者が腰を反らせることになり、腰痛を招きやすくなります。赤ちゃんの脚が自重で垂れ下がりやすくなり、M字開脚の姿勢を維持するのが難しくなります。

おんぶひも(日本式のおんぶ専用)

メリット:おんぶ専用にできているので、サッと短時間でおんぶが完成します。高い位置でおんぶできるため、赤ちゃんが親御さんのすることを眺められます。ひもの結び方によって、バッテンにならない方法もあり、胸部を協調しなくても使えます。コンパクトに持ち運べる製品が多いです。

デメリット:おんぶしかできません。おんぶをしたことがない場合は、最初難しく感じられるかもしれません。高い位置である程度密着して使用するようにできているため、緩く結んでいると赤ちゃんの位置が下がって肩や腰に負担を感じます。また、緩いおんぶでは赤ちゃんが落下しやすくなります。

まとめ

抱っこやおんぶを少し間違えたからといって、赤ちゃんがすぐに怪我をしたり、病気になったりすることはあまりありません。しかし数年にわたって長時間行うものなので、快適にできるかどうかで子育ての負担が相当変わってきます。
それぞれの生活と体型にあった抱っこひもやおんぶひもが見つかるとよいですね。不安に感じたり、もっと自分に合ったものをみつけて快適に過ごしたいという方は、ぜひベビーウェアリングコンシェルジュを頼って下さい。豊富な知識とたしかな手技で皆さんひとりひとりの子育てを応援するプロフェッショナルです。

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